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星の歌2

しばらく暗闇に目を凝らしたが、あたりは何事もなかったように虫の音と川の音が聞こえるだけだった。
先程飲んだビールのせいか、私は急に眠くなってしまった。
パリッとのりが効いたシーツの上に大の字になって寝転び、目を閉じた。
ひんやり気持ちがいい。
まどろむ意識の端で耳をすましてはみたが、星の歌は聞こえなかった。

いつの間にか夜が明け、しらみだした空の下。東の山々には美しい白い靄が薄い絹のようにふんわり被さっている。青々と澄んだ空気は森の薫りに満ちていた。
遠くに見える緑の湖面が、朝日を反射してキラキラと静かなサインを送っている。

浴衣の崩れをなおして外に出る。
深呼吸すると身体中の細胞が喜んでいるみたいだ。

朝だ。
私はなんとなくブラブラと歩いた。
映画やドラマみたいな森の朝だ。静かで、鳥がさえずり、若草色が美しい。
砂利道を少し登ると、開けた草原に出た。
スキー場くらいある草原は、生え揃った芝がずっと上まで続いている。
200メートル先くらいに小屋が見える。
吸い寄せられるように小屋へ向かって歩いていくと、足元に急にぽっかりと茶色い穴が現れた。
直径二メートルくらいの穴は、深さもちょうど二メートルくらいあり、小屋に気をとられてボーッとしていた私は危うくすっぽり落ちてしまうところだった。

はて?何の穴だろう?
考えようにも全く何の穴なのか想像もつかなかったので、私はその茶色い大口を無視して小屋へ向かった。
小屋はわりと小綺麗で、ちょこちょこ人が使っている気配がした。
簡単な調理器具や、掃除用具等、生活に必要な最低限が置いてあった。

でも、何か違う。
何か。
んー、、、わからないから、まぁ、いいか。

私はとりあえず小屋へたどり着くという目標を達成したので、引き返す事にした。
熱い朝風呂に入って仕事という名の休暇を楽しもう。
サウンドオブミュージックの鼻歌を歌いながら宿へ戻る足取りは軽い。
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.25 2012
ちいさなおはなしたち comment(0) trackback(0)
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はらだかおる 1985年山口県生まれ仙台育ち東京在住。 現在ムトウアキヒトとuwabami(うわばみ)というアートユニットで精力的に活動中!また、uyulala(うゆらら)というガールズバンドでギターボーカルもじんわりやっています。 宮城県第一高校卒、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒、仙台美術予備校非常勤講師。

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