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星の歌4

「ナナネソウ?」
「そうだ。茹でても炒めてもそのままでも美味いんだ。日や時期によって味も変わる。
おそらく日照り続きだったから今時分はスカスカで味気ないんだろうよ。お前さんも残念な時に来たな。」
「そうなんですか。食べてみたかったです。」
少しドキドキしながら私は深呼吸をした。
湯気が息と混じってゆらゆらと蒸発しているのをぼんやりと眺めていた。
私は今、ばあちゃん猫と話しているのだ。

「お前さん、今晩もここに泊まるのかい?」
「はい。しばらくはここにいるつもりです。」
「それなら、今晩わしの家へ来い。夜6時頃迎えにくるから。美味いもん食わしてやる。」
「え?ありがとうございます!…いいんですか?」
「お前さん、名前はなんて言うんだい?」
「カナです。天野奏。」
「いい名だね。奏。わしはフミじゃ。これでもう、知り合いじゃな。」
フミという猫はホッホと笑いながら森の方に向き直った。
私もなんだか可笑しくなってきて、クスクスと笑いながら森を見た。
深いみどりが徐々に明るく照らし出されて、光をたくさん浴びようと背伸びしているみたいだ。
「では、6時にまた。」
そう言うとフミは体中からホカホカと湯気をたてて出て行った。
「はい。また6時に。」
フミのちょっと丸い、明るいグレーの毛で覆われた背を見送って、、、しまった。星の歌についても聞いてみればよかった。
でも、また夜に会うし、その時でいいか。
私はお湯の中で足をもみほぐしながらまたサウンドオブミュージックを鼻歌で歌い、今度こそ貸切になった風呂を満喫した。
七音草。どんな味なんだろう。
想像していたらおなかが鳴りだした。
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.04 2013
ちいさなおはなしたち comment(0) trackback(0)

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はらだかおる 1985年山口県生まれ仙台育ち東京在住。 現在ムトウアキヒトとuwabami(うわばみ)というアートユニットで精力的に活動中!また、uyulala(うゆらら)というガールズバンドでギターボーカルもじんわりやっています。 宮城県第一高校卒、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒、仙台美術予備校非常勤講師。

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